「仮想通貨法」という法律が存在します。
ビットコイン・イーサリアム・リップル・ネムなどのビットコインやアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)や仮想通貨を取り扱う取引所などに関する法律です。
仮想通貨と仮想通貨法は切っても切り離せないものなので、しっかりと理解しておきましょう!
ここでは仮想通貨法の大まかな概要と「これさえ押さえておけば問題ない!」という部分をピックアップしてご紹介します!
仮想通貨法とは?
そもそも「仮想通貨法」という法律は存在しません。
「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」という法律の「資金決済に関する法律」に「第三章の二 仮想通貨」と異部分を「仮想通貨法」や「仮想通貨規制法」と呼んでいます。
「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」は、IT技術の進展・環境の変化に対応するためのもので仮想通貨以外にも銀行法などの金融関係のことが記載されています。
情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」に盛り込まれた、仮想通貨法は2017年4月1日に施行(新法が有効になること)されました。
2018年2月現在、まだ仮想通貨法は施行されて1年も経っていません。
仮想通貨法は、仮想通貨が世界へ浸透し切っていない時点で法律を施行したことで「日本は世界に先駆けて仮想通貨の法律を施行した国である」ともいわれています。
・仮想通貨法の定義
・過疎通貨交換業の定義
仮想通貨の定義
仮想通貨は主に「1号仮想通貨(資金決済法2条5項1号)」と「2号仮想通貨(資金決済法2条5項2号)」に定義されました。
下記が仮想通貨法で定められた「仮想通貨」です。
・物品を購入、借り受け、役務の提供を受ける場合、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる
・不特定の者を相手方として購入・売却を行うことができる財産的価値
・電子機器その他の物に電子的方法に記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く
・電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
・不特定の者を相手方として1号仮想通貨と相互に交換ができるもの
・電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
1号仮想通貨と2号仮想通貨の違いにも触れておきましょう。
1号仮想通貨は「品物」を購入することができます。
一方で、2号仮想通貨は「品物」を購入することはできないが「1号仮想通貨」に交換できるものを指します。
具体的に仮想通貨が定義されたことにより、施行前は「仮想通貨」と呼ばれていたものが、仮想通貨として曖昧なものや仮想通貨ではないものも生まれました。
仮想通貨の定義から外れたもの
仮想通貨として曖昧なもの
仮想通貨として曖昧なものとしては「三菱東京UFJ銀行が発行予定のMUFGコイン」があります。
三菱東京UFJ銀行という日本3大メガバンクの1つである、銀行が仮想通貨を発行すると発表したときはニュースになりました。
ですが、仮想通貨法によると三菱東京UFJ銀行のMUFGコインは仮想通貨と呼べるか曖昧な点があります。
・不特定の者を相手方に売買しておらず対象が「預金者のみ」
・仮想通貨1号・2号ともに当てはまらない可能性がある
仮想通貨法が施行されたばかりの法律であるため「仮想通貨」か曖昧になる通貨が他にもでてきそうです。
とはいっても、三菱東京UFJ銀行が発行予定のMUFGコインの価値が下落するわけではありません。
送金手数料が大幅に削減されるといわれている三菱東京UFJ銀行のMUFGコインは魅力的です。
仮想通貨ではないもの
仮想通貨法は「電子マネー」は仮想通貨ではないと断言しました。
・不特定の者に対して使用できる
・法定通貨の「円」で表示される
電子マネーは加盟店でしか使用できない・法定通貨で表示される(通貨建資産)ということもあり、仮想通貨ではありません。
参考:bitFlyer「教えて!仮想通貨法 電子マネーは含まれるのか」
仮想通貨交換業の定義
仮想通貨法では「仮想通貨交換業」つまり、仮想通貨取引所についても細かく定義され、規約が定められました。
仮想通貨を取引するリスクを知るためにも、仮想通貨法が定めた仮想通貨交換業の定義について知っておきましょう。
・仮想通貨の売買または交換
・仮想通貨の売買または交換の媒介、取次ぎまたは代理
・上記二つの行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること
仮想通貨交換業が仮想通貨法で定められたことにより、仮想通貨の取引は法律で許可が下りた取引所でしか取引することができなくなりました。
仮想通貨法ができたことに伴い、取引を中止した取引所も存在します。
仮想通貨交換業として必要なこと
仮想通貨交換業には申請が必要です。
仮想通貨交換業として「資産が1000万円以上である」「株式会社であること」など多くの基準を満たさなければ、仮想通貨交換業として国から認められません。
・株式会社・外国仮想通貨交換業者(国内に営業所が必要)ではない
・外国仮想通貨交換業者は、国内における代表者がいない
・資本金の額が1000万円以上で、純資産額がマイナスである
・仮想通貨交換業を適正があり、確実に遂行する体制の整備が行われていない
・法令遵守のために必要な体制の整備が行われていない
・他に行う事業が公益に反していない
・取締役若しくは監査役又は会計参与等が破産や刑に処せられた等の欠格事由がある
純資産額がマイナスではないことで、債務超過の業者を除く狙いがあるのでしょう。
各項目ごとに、仮想通貨交換業が円滑に営まれることを目的として理由を定めているといえます。
仮想通貨交換業に登録されている取引所
仮想通貨交換業に登録されている業者は、2018年2月現在16社です。
・株式会社マネーパートナーズ
・QUOINE株式会社
・株式会社bitFlyer
・ビットバンク株式会社
・SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
・GMOコイン株式会社
・ビットトレード株式会社
・BTCボックス株式会社
・株式会社ビットポイントジャパン
・株式会社DMM Bitcoin
・株式会社ビットアルゴ取引所東京
・エフ・ティ・ティ株式会社
・株式会社BITOCEAN
・株式会社フィスコ仮想通貨取引所
・テックビューロ株式会社
・株式会社Xtheta
参考:仮想通貨交換業者登録一覧
上記が仮想通貨交換業として国に登録されている取引所です。
仮想通貨交換業に登録されている取引所は、仮想通貨法に基づき、内閣総理大臣から登録を受けたものといえます。
2018年1月に、仮想通貨ネムの大量流出し、仮想通貨の保管に関して問題があると指摘されたcoincheckは仮想交換業者としての登録はありませんでした。
でも、決して違法をしていたわけではなく「みなし業者」として、運営をおこなっていたといえます。
仮想通貨の取引所は、取引所に規約や評判を知り悪徳業者ではないか調べてから利用することが重要といえます。
まとめ
仮想通貨の定義や仮想通貨交換業の定義・規約についてご説明させて頂きました。
仮想通貨法について知ることで、仮想通貨のリスクを知ることができます。
仮想通貨法は、通貨の種類や概要を知るだけではなく、法律や税金といった観点からも知るも大切です。
安全な取引所や仮想通貨サービスを利用するためにも、仮想通貨法の基本的な内容は覚えておきましょう。
違法な取引所やサービスを利用しないためにも「仮想通貨交換業として登録を拒否される理由」は特に頭に入れておいて損はしませんよ!